2018年9月15日から17日まで行うiba-Uibc-Cup-Bakerに前回と同じ監督として参加してきました。
今回の日本代表は、ドンク時代一緒に仕事をしていた、ブーランジュリークルミのオーナーシェフの福井選手と埼玉県の有名店、デイジイの石井選手です。
去年の5月に日本代表に選ばれてから、最初はメールのやり取りで商品を考えて、テーマが「宇宙」と決まってからはそれに合った商品に切り替えて飾りパンも作り込みました。
提出された商品は、溜まっていて、宇宙に繋がるような形や製品がいくつかありました。
基本的には、二人で考えたパンを半分づつにしたかったので、そのバランスが大変でした。
飾りパンもテーマが決まり、次の提出の時二人がロケットを作ってきたのでこの方向性でいこうと思いました。
商品が決まると、次はタイムトライアルです。
規定の時間の中で製品をすべて作っていきます。
二人共埼玉県だったので、クルミさんの定休日を借りて何度か練習し、新しいルールの4時間後に、ヴィエノワズリーの提出と言う課題が大変で苦労も多かったです。
8月には、日清製粉さんや日本製粉さんに場所を借りて、壮行会と最後のトライアル練習をしました。何とか時間はクリアしていますが結構ギリギリな感じでした。
そしていよいよドイツへ
9月9日にデイジイさんに集まり手荷物の振り分けをしたら1人23kgの荷物が2個でMAXな重量でした。
長い飛行機の後通訳の田中さんと落ち合い、バインハイムにあるAKADEMIA学校に練習の為に向かいました。
ここで現地の粉を使い本番さながらに2日間のトライアルです。
慣れない場所と粉と、水で1日目は苦労していましたが、2日目にはすべて修正して いい作品が出来上がりました。さすが日本代表です。
応援ツアーの団体さんと、同じバスに乗りハイデルベルグ観光後、ミュンヘンのホテルに着きました。
次の日、午前中に材料を買い、午後からいよいよ前日仕込みで、会場に着くと、今までの大会の思い出が色々よみがえってきました。
選手二人も気合が入りなおした様です。
各国の選手も集まり、機械の説明後前日準備のスタートです。
1時間の中、クロワッサン、ブリオッシュ、飾りパンの生地全て仕込み用意をして、何とか終了です。
競技スタート
9時に競技が始まりました。
選手はそんなに緊張した様子もなく淡々と始めていき、いざ始まると、体には染みついていることなので結構冷静に動いていました。
初日だったので、どこのブースもオーブンの温度が上がらず大変でした。
日本チームも飾りパンを焼いていたのがだれてしまいとても使える状態ではありません。
ただ、4時間のヴィエノワズリーの提出があるので、そちらが最優先です。
クロワッサンは4つ折2回、ブリオッシュはオーバーナイトで分割からでも時間的にはギリギリで、最後の練習では余裕がありましたが、本番ではあと5分で何とか終了しました。
ここで気を抜かず次はハード系と飾りパンです。
ハード系が順調に進んでいるので、飾りパンを作り直すように指示を出してもう一度作り直してもらいました。生地もギリギリだったそうです。
何とか修正も終わり、ハード系の成型も終わり、ホイロに入れると二人で飾りパンの組み立てです。
順調に終わるかと思いましたが、ロケットを飾る時、下の発射口が大きすぎてはまりません。
削っててもダメ、下をカットしてもダメ、自分も選手も段々と焦ってきました。
結局、リスクをおかして傾いた状態で飾ることにして10分前に終了しました。
バランスが偏っているので審査が終了するまで持つかが非常に心配でした。
試食後、全体の審査、日本チームな採点が終わるまで心配で祈る気持ちで観ていました。
何とか無事終了。
飾りパンは、この2時間後に倒れたそうです。
残り2日間、合計12各国の競技が終了していよいよ結果発表です。
部門賞の発表で、狙っていたペストリー部門を韓国に持って行かれてしまいました。
そして順位の発表。
3位 ノルウェー
2位 ドイツ
1位 中国
残念なことに入賞はなりませんでした。
シンプルなパンだし、テーマにもあっていないのでまさかとは思いましたが最終日の勢いに負けた感じがしました。
自分も選手も動けない感じでしたが、精一杯やったし、自分たちの失敗はなかったので 胸を張って行こうと言い、団体ツアーのお疲れ様会に向かいました。
選手たちは非常に良くやってくれました。
結果は残せませんでしたが、自分とっても充実した1年間でした。
福井選手、石井選手、応援してくださった皆様、ありがとうございました。
〈2018日本代表監督 井上克哉〉